史的に見たる科学的宇宙観の変遷

アレニウスによる「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」を読んだ。寺田寅彦さんが訳している。荒俣宏さんと誰かとの対談において博物学的な視点から両名が薦められていた。

科学的宇宙観の変遷 (岩波文庫 青 930-1)

科学的宇宙観の変遷 (岩波文庫 青 930-1)

皮相的な傍観者の眼には、一つの思考体系が現れると、他のものが転覆するように見えることが往々ある。その為に、科学研究の圏外にある人々からは、明解を求めんとする我々の努力は畢竟無駄であるという声を聴くことがしばしばある。しかし誰でも発達の経路を少し詳しく調べて見さえすれば、吾々の知識は最初は眼にも付かないような小さな種子から発達した威勢の良い大樹のようなものであることに気がついて安心するであろう。樹の各部分殊に外側の枝葉の着物は不断に新たにされているにもかかわらず、樹は常に同じ一つの樹として成長し発達している。それと同様に又吾々の自然観についても、数百千年に亙るその枝葉の変遷の間に常に一貫して認められる指導観念のあることに気が付くであろう。
アーレニウス「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」

途中、ビュフォンの名前を見つけてふーむと思った。サイモン・シンの「ビッグバン宇宙論」が気になるところ。サイモン・シンの本は概して科学というより科学史だから面白い。
ところで、今日アウトレットの本屋でちらっと眺めたところ、Stephen Hawkingの"God Created the Integers: The Mathematical Breakthroughs That Changed History"という本を見つけた。ホーキング自体はとても有名だけれどこの辺の本は翻訳されていないのかな?