詐欺師の楽園
前にも書いたとおり、今ちょっとまとめ読みの最中なのであるが、たまたま次に読もうと考えていた本が手元になかったため、寄り道した。
- 作者: 種村季弘
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1990/07/25
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: 種村季弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1985/12/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
はじめから悪童コールによる贋エチオピア皇帝事件でひと笑いあり、それに若き日のヴァージニア・ウルフも参加していたというエピソードで無駄な知識欲を満足させる。また、女装の最強騎士ボーモン(シュヴァリエ・デオン)、ボーマルシェ、ロベール・ウーダン*2など魅力的なキャラクタが紹介されていく。
さらにはこういった詐欺が「システムを熟知したシステム外に位置する詐欺師がそのシステムの隙をみつけ、そのシステムにとらわれた内側の人間たちを手玉に取る」という構図を示していく。それ故にそのシステムが崩壊した後の彼らはもはや詐欺師足り得ない。最後の章「詐欺師の楽園」における種村さんの詐欺師たちに対する分析はとてもロマンチックで良い。
まあ、そういう面倒なことはさておき、詐欺師たちのカブキっぷりを楽しめば良い。ブンガ!ブンガ!