トップランナーに桂吉弥さん出演

久しぶりにトップランナーを観ると、桂吉弥さんが出ていた。NHK連続テレビ小説ちりとてちん」を何度か観たことがあったので、顔は知っていたが、桂吉朝さんの弟子とは知らなかった。というか、本当の落語家とも知らなかった。
http://www.nhk.or.jp/tr/2008album/080721.html
実際に短めに芸を披露していたが、スタンダードでなかなか良かった。やっていたのは「かぜうどん」と「愛宕山」。どちらも吉朝さん(ひいては米朝さん)ゆずりなセレクトであるように思う。
しかし、僕は落語好きとは言ってもそれほどディープではないので、主に故人の落語を音声だけで聴くケースが多い。師匠の吉朝さんや枝雀さん、ひいては米朝さんまでと比較されるというのは真にキツかろうと思うが、古典落語家はみんなこうした道を通らざるを得ない。
吉弥さんは冒頭の方のコメントで「古典落語は共通財産なんです*1」と言い、新しい話を学ぶまでのプロセス(三遍稽古*2)をひいて説明し、また自分のオリジナリティをどのようにして求めるかについて語っていたのは大変興味深かった。まさにクラシックなわけだ。正剛さんの言ではないが、「オリジナリティ」という言葉について考えさせられる。
吉弥さんが天満天神繁昌亭で「地獄八景亡者戯」をやった話がちらっとされたが、これは相当プレッシャーだったろうなと思う。
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ちりとてちん」が「酢豆腐」の上方バージョンとは知らなかった。まあ話の筋は大分変わっているが。
吉弥さんも吉朝さんの弟子となったがしばらくの間、米朝さんの内弟子として勉強していたことがあるらしい。その際、米朝さんと吉弥さんのうつる写真が出ていたのだが、そこに南光さんもうつっていたのにちょっとグッときた。米朝さんは枝雀さんに続いて吉朝さんにまで先立たれてしまったが、こうして芸は残っていくのか。

*1:記憶に頼っているので正確でないかもしれない。

*2:http://www.radiodays.jp/category/show_column/3?column_id=61