言葉使い師

クリストファー・プリーストの「奇術師」が映画化されたという話は前に書いたが、邦題が「プレステージ」になったそうな。殊能将之さんじゃないが*1これは本当にありえんな・・・。
最近読んだ神林長平さんの「言葉使い師」に影響を受けてか、「記述師」という造語が浮かんだが、近頃では「既出師」とした方がまだしも使い勝手がありそうだね。

言葉使い師 (ハヤカワ文庫 JA 173)

言葉使い師 (ハヤカワ文庫 JA 173)

「言葉使い師」は初期短編集ということになるのかな。なかなか面白かった。
http://d.hatena.ne.jp/kwaizu/20060920#1158754165
以下、相方としていたちょっと高尚な話と少し関係があるし、素敵だなあと思った一節があったので引用。

「人生とは記憶である、か。そうかな」ボイドは笑う。「だれが書いたんだ?こんなもの、もう忘れちまったよ。なあ、アリス」ボイドはビーバーに乗りこみ、アリスに手をかした。「さあ行こう。人生は夢なら、いい夢を見なくては損というものだ」
神林長平「イルカの森」

僕はこの短編集に収録されている「甘やかな月の錆」でも感じたこの雰囲気が好きだな。