江戸の誘惑

江戸東京博物館で行われていた「ボストン美術館所蔵肉筆浮世絵展 江戸の誘惑」を最終日に観に行った。その日も比較的早い時間に行ったのだが、結構混んでいた。

http://www.asahi.com/boston/

当初は最終日だし混んでいると嫌だなと、止めようかと思っていたが、鳥山石燕の「百鬼夜行図巻」*1も含まれていると聞いて行かざるを得なくなった。内容も中々良くて、他にも「鳳凰図屏風」を含む葛飾北斎の肉筆が数点と豊国の「三代目中村歌右衛門」など中々見ごたえがある。僕にとって北斎は「冨嶽三十六景」よりも肉筆浮世絵の方が印象強かったのでこれを観られたのはうれしい。また娘である応為の作品も美しくて素敵だった。
順番に並んで観るものでは無いのだが、間に人をはさまずに良く観るためには並ばなくてはならない。そのとき僕の前を移動していたのが、美術か美術史かに関わるらしい女子大生2人組だった。彼女たちが「この色使いが」とか「デザインが」と言った話をする中、僕は行きしなに澁澤さんの本を読んでいたせいか、しきりに「この素足が見えているところが良いね」とか「足の指の曲がり方がエロい」と言っていたらとても嫌そうな顔で見られた。
家に帰って林美一さんの本が無性に読みたくなったのだが、引越しの際に売ってしまったことに気がついた。近場の古本屋へ4軒ほど探しに行ったのだが、目当てのものは見付からなかった。残念。

*1:「続・妖怪図巻」に載っている。