熱帯の自然

ルフレッド・ウォーレスの「熱帯の自然」を幾分前に読み終わった。

熱帯の自然 (ちくま学芸文庫)

熱帯の自然 (ちくま学芸文庫)

進化論についてというよりは博物学的な興味でもって読んだ。前半が博物学で後半が進化論といった感じ。前半は読んでいて純粋に楽しい。こういうのを読むともっと図版が欲しくなるところ。後半でダーウィンの進化論を踏まえて色彩における進化論について動植物を例に語られる。細かいことよりも博物学の何から自然淘汰による進化論が創出されたのかが興味深い。
残念ながら人類の知性の発達と自然淘汰の関係について触れているらしい「生物学の領域におけるいくつかの間道(バイパス)」と「地理的変化の指標としての動物の分布」という面白そうな2編がこの訳本ではカットされている。
予断だけれども「ダーウィニズム」という言葉の提唱者がウォーレスだったという話には5へぇ〜。*1

*1:新妻昭夫さんの解説によればダーウィンの死後、ウォーレスによって「ダーウィニズム」と題された著作が発表されている。本当にウォーレスが言いだしっぺなのか僕は知らない。