サマー・オブ・ナイト

ダン・シモンズの「サマー・オブ・ナイト」を読んだ。これはSFというよりジャンルはホラー。ダン・シモンズのホラー小説ははじめてだった。*1

サマー・オブ・ナイト〈上〉 (扶桑社ミステリー)

サマー・オブ・ナイト〈上〉 (扶桑社ミステリー)

サマー・オブ・ナイト〈下〉 (扶桑社ミステリー)

サマー・オブ・ナイト〈下〉 (扶桑社ミステリー)

あらすじだけ読むとキングの作品かと思うようなものだけれど、やはりスタイルは異なる。上巻の前半はわりと退屈だったが、後半にデュエインが行動を開始したあたりから面白くなる。そのあたりのくだりなどはダン・シモンズの真骨頂とも言える。しかしそれにしても僕は最後の最後の一節の部分だけでも価値があると思うほどラストが良かった。

「男ってやつはこれだから」頭をふりふりコーディがぼやく。「神さまは、利口な動物を作る部品が足りなくなって、ばかな男を作ったんだ」
ダン・シモンズ「サマー・オブ・ナイト」

ちなみにこの絵はこの小説をイメージして書かれた絵だったらしいのだけれど、ラヴクラフト本の表紙になったというお話らしい。

http://www.francois-baranger.com/paintings/summer_of_night.htm

最後に本当に微妙なネタバレになるが、訳者あとがきに国書刊行会の編集担当と植松靖夫さん、島弘之さんお二人の名前を発見してニヤニヤしてしまった。まああの方のあの本の翻訳者だから当然かw(というかここまで書いて書名を隠す意味あるのか?)

*1:その実、ダン・シモンズはもともとホラーから出た人だけれども。